ぶっちゃけ795

こんばんわ、好きな小学生は伊勢崎恵梨ちゃんのREDです。


好きな……小学生、だと?などと、警察機構の方々が読むと眉根が寄せられるような挨拶はいいんですけど、昨日は母上の誕生日でした。自分のケーキを持って病院に来たんですけど。ところで僕の母は謎の生態系の中で生きてきたようなのですが。


あの、北海道にはいないはずの生き物の目撃、捕獲情報が出てくる。例えば子供の頃はよくサワガニを取って食べたりした、パリっと焼いてな、ザリガニは苦くて好きじゃなかったがサワガニは旨い、と言います。でも、サワガニはいないんですよ、この辺には。や、最近は道南・道央の方には実は分布してるらしいという情報があって生息地が書き換えられるかもしれないんですが、とにかく僕の出身地の地域にはいません。僕も山奥で育ち、っていうか母の実家と同じ場所なんですが、山野を遊び場として駆け巡ってましたが、サワガニは1匹も捕まえたことはありません。母は、まあ農薬のせいで最近は見かけなくなったな、なんて言ってますけど。ちなみに源流域に近いほど山奥なのでモズクガニを見間違えたってことはないと思います。


モグラは太陽に当たると死ぬという俗説っていうか迷信があるんですけど、もちろんそんなことはないんですが、母は、そういえば子供の頃は畑でよく死んでたなー、太陽の光で死ぬんでしょ?って言います。でもですね、やっぱりモグラは北海道にはいないんですよ。や、僕もモグラは死骸を見たことがあるような気がするんですけど、多分トガリネズミの死骸だったと思います、今ならわかる。でも母は、モグラはめっちゃ駆除されてたし、農薬も規制がなかった3、40年くらい前は撒きまくってたから、最近はいなくなったねー、と言います。


他にもオオムカデやアメリカザリガニなど、いるはずのない生物が昔はいたという主張をよくします。や、はっきり言って僕も子供の頃に山や沢・川、雑木林や草むらなんかで遊んだことにかけては相当の自信があります。野生児として小学校の頃は昆虫博士とあだ名されるほどで、釣りとか得意だし、図鑑に載ってる生き物で分布が僕の活動範囲になってる生物は脊椎動物・昆虫を問わず希少種でなければ、ほとんど全てこの目で見たことがあると思う、生き物図鑑とか眺めても、よっぽど珍しいやつじゃない限り、見たことあるーっていう生物ばかりだし。でも、サワガニもオオムカデも見たことないんですよ、実家の近辺では。


母はどんな少女時代を過ごしていたのだろうか。ひょっとして異次元に住んでいたのかもしれない。そして、それらが今は生息していない理由が、全て農薬で片付けられるところが凄い。何でもかんでも農薬のせいですからね、必ず「昔はキツイ農薬をいっぱい使ってたからねぇ」って言います。


これ、生き物だけに限らないで、色々な場面で言います。例えば平均寿命が延びて、老人大国だとか何とかニュースでやっても、今の80代とかはみんな機械もなかったし身体を使ってたし食品添加物もない粗食だったし、そりゃあ元気だよ、でも60代から私達くらいにかけては最も農薬を無制限に使ってた世代だからねぇ、寿命は意外と短くなると思うよ、って。爺ちゃんが足を悪くして引きずって歩くのも、若い頃は強力な農薬を使ってたからだし、最近父親がハゲてきたのも子供の頃の農薬が原因です。川にウグイがいなくなったのも、釣り協会がそこらじゅうでニジマスを放流してるからに違いないんですけど、母に言わせりゃ農薬のせいです。でも、昔は合法だったし、恩恵もあったわけだしねぇ、誰が悪いってことにはならないんだよね……と。


で、そういう毒って成体よりも、それが子に凝縮されるってことが多いよね、とも言います。魚介類とかだと、薬物とかね、蓄積されんじゃん。ほら、サリドマイドだって飲んだ母親本人は平気だけど、子供に畸形が生まれたりしたじゃん。だから、農薬まみれ公害まみれで一番酷かった時代に育った私と生まれたアンタ(=僕、1981年生まれ)も、将来歳をとったときが心配だよ、身体に異常が出なければいいけどねぇ……と心配してくれます。


こんな不細工なのも農薬のせいなんだと正当化されると、その言い訳力に脱帽して、血の繋がりを実感します。