ぶっちゃけ93

そういえばさ、圧力と沸点の話を数日前に書きましたけれども、それで思い出した。あのさ、深海の底には熱水というものが噴出している所があるんですよ。その名の通り熱いんですけれども、その名の通り水なんですけれども。まあ全部水ってわけじゃないけど、まあまあ、それなりに水的なものが噴き出しています。その温度、実に300℃くらい。水は100℃で沸騰するじゃんと思った常識的な人は復習です、深海底ですよ?勿論水圧はとんでもない、言うなれば「どうかしてるよ、これ……」と呟くくらいしかできない程です。で、圧力で沸点は高くなるので、300℃の水っていうのもアリです。ちなみに「水じゃなくてお湯じゃん」という揚げ足取りみたいな事を言った人は沸騰してください。もしくは兄貴のドラクエのレベル上げを命じられるの刑に処されるいいわ。液体の水は『水』です。


でさあ、そんな灼熱の世界なんですけれども、カニとか貝が住んでいるらしいんですよ、その熱水が噴出している所に。信じられないですよね、300℃ですよ?熱水の中に含まれる硫化水素やメタンを細菌の力で酸化させてエネルギーを得るようです。


こいつらって比較的有名で、生き物好きな小学生とかでも知っています、僕も小さい時から知ってましたし。図鑑とか、学研マンガ『生き物のひみつ』みたいな子供向けの生物の本とかにも書かれてますからね。で、こいつらってこんな熱湯の中でも生きていけるなんてすげーな!みたいな感動。水が300℃って事に微塵も疑問を持たないわけですわ。


そして時は流れて、水は100℃で液体から気体に変化する事を学ぶ。え?え?え?100℃?じゃあ熱水って一体……という混乱ですよ、意味不明。だが更に時は流れて、圧力によって沸点は変化するという事を学ぶ。で、解決ですよ。小さい時は何も知らないで当然だと思ってるし、今は理屈を知った上で当然だと思っているんですけれども、300℃について疑問を持たない事は変わらないですよね?まあ知らぬが仏ですよ。


でも圧力鍋で料理する時にそんな事は考えませんよね?つまり前述の例でいうと、300℃を当たり前だと思っている小学生と同じです。全然仕組みを考えなくても、早いし、美味しいし!っていう、ね。童心に返るひととき、圧力鍋は心を豊かにしてくれるなあ。


って話をしたら引かれました。あっれー、ウケると思ったんだけどなあ?面白くないですか?なんだかさ、自分が面白いと思った事を、ほかのみんなに面白くないって言われた瞬間ってさ、オリコンのチャートとか見ても知らない曲、知らないアーティストばかりだった時に似てませんか?そして僕は、少しずつだけどオッサンになってきている事を実感し、嘆息するのです。誰か助けて!