ぶっちゃけ53

そういえば、僕がひっそりと君臨している北海道では異常事態が発生しています。ひっそりと君臨?なにやら矛盾を孕んだ表現ですが、それってひょっとして君臨してるとは言わないんじゃないのかな?


まあいいや、そんな事。あのー、何故か鳥が死んでいるんですよ、大量死。おまけに原因不明なんですって。外傷とか鳥インフルエンザとか、はたまた毒物や寄生虫なんかも別にないって。東京とか新潟とか、本州の一部でも死んでいるようですが、こちらは胃の中から毒物が発見されているので原因はわかっています。北海道の例とは因果関係はないでしょう、たまたま同じ時期に大量死した、という解釈で。


怖いなあ、何の理由もなく死ぬなんて。このままいくとその、スズメとかを捕食していたトビとか鷹とかの猛禽類も死んでしまうし、スズメが捕食していたヨコバイとかの害虫も繁殖してしまいます。生物相が崩れる。それは植生にも影響し、ひいては気候にも影響するんですよ。些細な事かもしれませんけれども、過去の生物史6億年を紐解いても大きいので5回、細かく見ると20回近く大量絶滅事件があるんですけど、有名なのは6500万年前の恐竜とかね、そういう絶滅事件って基本的にきっかけはささやかなものなんですよ。


えっと……ひょっとしてですよ、もしかして万が一、いや、億が一の可能性ですけれども僕、犯人かもしれないです。先週、修士論文中間発表会の準備があまりにも終わらなさ過ぎて「もう世界とか、滅べよ……このままじゃ僕が滅ぶし。その、『認識』という世界を構成するひとつの観点から眺めれば、世界が滅んでも僕が滅んでも一緒じゃん……」と、哲学チックな事を考えていたんですよ。もしもさ、シルバーチャリオッツ・レクイエムのように無意識に能力が発現していたら……?知らず知らずの内に僕が世界を破滅へと導いていたならば……?やばいやばい、僕が破滅を望んだのも過去の事です、今では改心して平穏な世界を望んでいます。それなのに、まさか、賽は投げられた?滅亡が、止まらない、あたかもロマンチック!どうしようもない、このまま滅び行く様を眺めていくしか道は残されていない……。


僕の、頭の、ね。